私が「陸マイラー」を始めたのはマイルでファーストクラスに乗ってみたいという単純な動機からでした。当時は「陸マイラー」初心者で、ひたすらマイルを貯めるという事しか頭になく、ファーストクラスに乗ると言う目標は達成することが出来たのですがマイルの価値について考えてはいませんでした。その後、「陸マイラー」生活を重ねるにつれ、ふと「ANAマイルにするのにポイントをどんどん交換してきたけど、価値ってどうなのかな」と思い始めました。
結論から言ってしまうと、
国際線特典航空券でファーストクラスに搭乗する
がマイルの価値としては一番高くなりますが、使い方によって変動するので、1ANAマイル**円です!とは断定することが出来ません。
よくブログなどでは「1マイル=2円とすると」とか「1マイル=5円とすると」の様な記述を見かけるかと思います。間違っているとは思いませんが、正しいとも思いません。
そこで、私と同じようにふと「1マイルの価値っていくらなんだろう」と思った人の参考になるように、本記事では1マイルの価値について解説しています。
・1マイルの価値基準の考え方
・使い道によるマイル価値の違い
・特典航空券交換のマイル価値について
貯まったマイルのタイプについて考える
獲得したマイルがどのように貯まったかですが、以下のケースが考えられます。
1.実際に飛行機に乗って付与されたマイル
2.キャンペーン等で付与されたマイル
3.ポイントサイトで貯めたポイントから交換したマイル
4.クレジットカードの利用ポイントから交換したマイル
付与されたマイルとは
一般的なポイント
- 楽天ポイント
- Tポイント
- PayPayポイント
に例えると
お店で買い物をしたらポイントが付いた
お店に行ったら来店ポイントが付いた
お店に入ったら1,000人目のお客様で10,000ポイント貰った
の様にポイントそのものを直接獲得したので1ポイントを価値がどの位かと考えるより、何に使えるかという考えの方が大きいかと思います。
マイルの場合も同様に、何かを交換して貯めたのではなく、消費の結果獲得したので、損をしたとか得をしたとかではなく、マイルがあるなら何かに使ってしまおうという感じになるのではないでしょうか。
交換して貯めたマイル
これに対して、ポイントを交換して貯めたマイルは、ポイント自体に価値があったので、少なくとも元のポイント以上の価値を見出さないと損をした気分になってしまいます。
例えば10,000ポイントを70%の交換率で移行できる「みずほルート」で交換すると
となるので1ANAマイルは元の1ポイントが1円の価値があるとした場合は
少なくとも1.43円以上の金銭価値がある場合にポイントをANAマイルへ交換する価値がある事になります。
ANAマイルの価値計算
では、1ANAマイルが1.43円以上の価値があるかマイルの使い道別に検証をしてみたいと思います。
どのように価値の計算をするかですが、それは以下の式から推定します。
「使い道の推定金額」÷ 必要マイル数
マイルの価値が話題になるのはこの「推定金額」が使い道や、推定金額の条件によって変わってしまうからです。
マイルの推定価値
マイルの価値計算をする「使い道の推定金額」を、マイルを使える利用先から考えてみます。
ANA HP「マイルを使う」によると
- ANA国内線特典航空券
- ANA国際線特典航空券
- 国際線超過手荷物量お支払い
- 提携航空会社特典航空券
- ANA国際線アップグレード特典
- スターアライアンスアップグレード特典
- ANA SKYコイン
- ピーチポイントに交換
- 提携ポイント交換
- ツアー
- ホテル
- レンタカー
- グルメ
- 空港関連サービス
- アクティビティ
- オンラインツアー
- ANA Mall
- ANAショッピング
- ANAセレクション
- ANAが伝える日本の一品WA+YO SHOP
- 美容・健康
とかなり多くの事に使えますが、大きく分けると
1.グルメや宿泊など旅行関係
2.ショッピング/体験
3.他社ポイントへの交換
4.SKYコイン
5.特典航空券/搭乗関係
グルメ・宿泊に使う場合
グルメとして使う場合、
引用:ANA HP~マイル使い道(日本のおいしい宅配)~
の中でおいしそうなチョコレートがありました
2,862マイル・・・高いのか安いのか。
そこで検索をしてみた結果がこちら
まったくマイルと同じです。この結果からは1マイル=1円と言えそうです。
次にホテルですが、
このサイトではマイルで支払いができます。
例としてワシントンのキャピタルヒルトンホテルを検索してみたところ
と、表示上ではマイルと金額が同じとなっているので1マイル=1円と言えそうです。
ところが、同一条件でHotels.comで検索してみたところ
とマイルで予約するより安い結果に・・・1マイル<1円となってしまっています。
1ANAマイル = 1円
※通常サイトを利用の方が安い可能性あり
ショッピングに使う場合
ANAマイルをショッピングで使う場合はANAが運営しているショッピングサイト
でマイルを支払いに使う事ができます。
このうち、最近オープンした「ANA Mall」を覗いてみました。「ANA Mall」は多くのECサイトがANAショッピングモールに出品をしています。
例えばワイヤレスイヤホン「JBL Wave Buds」の場合、ECカレントと言うネットショッピング大手がANMall店として出品していますが、
6,061円となっていて、1ANAマイル=1円で支払が可能です。
これをAmazonと比較すると
と、少し安い結果でした。
他も見てみたところでは、多少ANA Mallの方が高い値段設定になっているようです。
品物によっては同額の物もあるので、特典航空券に交換できるほどは貯まっていないがマイルの消費としてはお得かもしれません。
1ANAマイル = 1円で利用できる
ただし通常サイトを利用の方が安い可能性あるが、余ったマイルを消費するには便利
提携ポイントへの交換する場合
ANAマイルから交換できる提携ポイント
引用:ANA HP~マイル使い道(ポイント交換)~
代表的なポイントを見てみると
通常は1ANAマイル = 1円
中には1円以下のポイント有(楽天ポイント0.8円)
スカイコインに交換する場合
1マイルからANAでの支払いに使える「スカイコイン」に交換できます。
持っているマイレージカードの種別や、ステータスで交換率が違い、最大の交換倍率では1ANAマイルが1.7SKYコインとなります。
交換率1.5倍以上でANAマイルをSKYコインに交換すれば
ポイント→現金化→航空券購入
するよりも
ポイント→ANAマイル→SKYコイン→航空券購入
の方がお得となります
SKYコインで購入した航空券は有償航空券となるので
- 特典航空券は枠があるので確保するのが難しいが、有償航空券となるので希望の日程で購入できる
- 搭乗マイルが付与される
と言うメリットもあります。
1ANAマイル = 1.0~1.7円
特典航空券交換にした場合
一番気になるのがマイルの交換先として一番使われるのこの「特典航空券」との交換ではないでしょうか。
その価値から「陸マイラー」が存在する理由でもあり、価値が使い方によって大きく変動するので1マイルの価値を推定するのが難しい使い道でもあります。
1マイルの価値の計算式は特典航空券の場合
「有償航空券の値段」÷ 必要マイル数
となります。この計算の項目が決まる要素は以下のようになります。
路線(国内線/国際線)
目的地 : 国内:(距離) 海外(ゾーン/経路))
航空券種別 : 事前購入割引
搭乗季節 : ハイ/レギュラー/ロー
座席クラス(海外) : エコノミー ビジネス ファースト
目的地 : 国内(距離) 海外(ゾーン/経路)
搭乗季節: 国内(ハイ/レギュラー/ロー) 海外(閑散期/繁忙期)
搭乗便 : ANA便 提携航空会社
の様な複数の条件で変わってきます。
結論を先に言いますと
国内:2~5円
海外:10~20円
が妥当な価値かと考えます。1ANAマイル=20円の場合は1万ANAマイルが20万円相当にもなるので、もともと1万円相当だったポイントが20万円の価値となる事になります。
国内線特典航空券の例
国内線特典航空券の場合は、交換に必要なマイル数は
- シーズン
- 距離(区間マイレージ)
によって変わってきます。
国内線のシーズンの定義
国内線の場合、シーズンは
- ローシーズン(L)
- レギュラーシーズン(R)
- ハイシーズン(H)
の3つに分かれています。
区間マイレージ
出発地からの距離(基本マイル)に応じて交換に必要なマイル量も変わってきます。
基本マイルは毎年秋にIATA(国際航空運送協会)より発行される「TPM(運賃計算に使用する区間距離)」を基準として適用されています。
代表的な区間では
区間 | 区間マイル |
---|---|
東京~千歳 | 510 |
東京~沖縄 | 984 |
東京~大阪 | 280 |
千歳~沖縄 | 1397 |
で、交換に必要なマイルは
区間マイル | ローシーズン | レギュラーシーズン | ハイシーズン |
---|---|---|---|
0~300マイル | 5,000 | 6,000 | 7,500 |
301~800マイル | 6,000 | 7,500 | 9,000 |
801~1,000マイル | 7,000 | 9,000 | 10,500 |
1,001~2,000マイル | 8,500 | 10,000 | 11,500 |
となっています。
ここでは例として「東京-沖縄」で検証してみます。
東京-沖縄は801~1,000マイル区間なので
ローシーズン(L):片道7,000マイル 往復14,000マイル
レギュラーシーズン(R):片道9,000マイル 往復18,000マイル
ハイシーズン(H):片道10,500マイル 往復21,000マイル
となります。
■ハイシーズンで検証
GWの真っただ中のハイシーズンの場合
片道のスーパーバリューだと26,900円、バリューは45,600円でした。
片道で必要なマイルは10,500マイルなので
45,600 ÷ 10,500 = 4.34
と言う事になり、1マイル=2.5~4.5円程度となります。
■ローシーズンで検証
片道のスーパーバリューだと23,710円、バリューは40,510円でした。
片道で必要なマイルは7,000マイルとなるので
40,510 ÷ 7,000 = 5,78
と言う事になり、1マイル=3.5~6円程度となります。
国内線での1ANAマイル価値を推定する方法についてわかったところで、主な路線の場合を比較してみました。
参考とした価格はANAバリュー1、ANAスーパーバリュー75,21(無い路線は28)での午前中8時~10時の便で安い方を採用。
※計算例として示した東京~沖縄ではローシーズンのANAバリューが5.78でしたが、上の表では7.09と大きな価値になっています。
空席予測数で値段が選択した時期とタイミングによって大きく変動するが理由なので、上の表は全国路線での価値比較としてお考え下さい。
ANAバリューの最大マイル価値は9円近いのですが、航空券自体も高く、この運賃で乗る機会もあまりないと思いますので参考程度の価値と考えます。
通常は特典航空券の利用は半年前~1か月前に予約する場合が多いので、実質的にはANAスーパーバリュー21、75での値段範囲が検証としての値となり、価格変動分の幅も考慮に入れると
1ANAマイル = 1.3~6.0円
と1ANAマイルの価値は推定できるのではないでしょうか。
国際線特典航空券の場合
国際線特典航空券は、条件やルールがありますがこの記事では省略します。
【ビジネスクラス】
【ファーストクラス】
例えば日本からアメリカニューヨークまでファーストクラスで往復した場合
もの大金が必要となります。余程お金持ちじゃないと簡単には乗れそうにない料金です。
従って1マイルの価値は
■ビジネスクラス
1,347,000円 ÷ 75,000mile = 17.96 円/mile
H(ハイシーズン)
1,347,000円 ÷ 90,000mile = 14.96 円/mile
■ファーストクラス
2,885,010円 ÷ 150,000mile = 19.23 円/mile
H(ハイシーズン)
2,885,010円 ÷ 165,000mile = 17.48 円/mile
1マイル=15~19円と驚異の単価をたたき出します。
上記計算は往復同じクラスですが、マイルを使った国際線特典航空券行きと帰りでクラスを変えることもでき、その場合は必要マイルの半分を合計した形になります。
ビジネスクラス:85,000 /2 = 42,500
75,000 + 42,500 = 117,500マイル
1ANAマイル = 15~20円
まとめ
本記事では、マイルの使い道による1マイルの価値について検証をしてみました。
・特典航空券以外の使い道はほぼ1マイル=1円相当
・国内特典航空券は搭乗時期や有償航空券をどの位前にとるで異なり1マイル=大体2円~6円相当
・国際線特典航空券は検証した北米線で1マイルは
ビジネスクラス15円~17円
ファーストクラス17円~20円
国際線特典航空券ファーストクラスに必要な15万マイルは、交換前のポイントに換算すると21万ポイントですので、21万円として使う事も可能なわけで、マイルにするはもったいないと思う人もいるかもしれません。
ここに価値があると思うのが「陸マイラー」であり、頑張ってマイルを貯めている理由でもあります。
ファーストクラスも世界的に縮小傾向にあるので、ぜひマイルを貯めて、乗れるうちに1度でもファーストクラスの世界を味わうのがお薦めです。
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